人生ラクに生きようよ

備忘録的に。

不朽の名作を現代で映画化するとどうなるか『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』

長年にわたり読み継がれてきた「若草物語」を、今最も勢いのある女性監督グレタ・ガーウィグと、「レディ・バード」でのグレタとのタッグも記憶に新しいシアーシャ・ローナンが映画化するとどうなるか。

ただの映画化では終わらせたくない、というグレタの信念が込められているような映画でした。

 

綺麗なメグでも病弱なベスでもなく

若草物語の原作を読むと、四姉妹の中でも病弱な三女のベスが物語の基軸となっている印象が強く、またこのキャスト陣で最も著名なのは長女のメグを演じたエマ・ワトソンだと思うのですが、この映画、次女のジョーと四女のエイミーがキーパーソンとなっている印象を受けました。

原作でもジョーは男まさりな女性として描かれていますが、この映画ではそれだけではなく、「私は今が幸せ。一生結婚しない」という意思を持ち、ローリーからのプロポーズを断る女性として描かれています。

一方の四女のエイミーは、「金持ちと結婚するのがあなたの使命」という叔母の言葉を受け、その道を突き進むことを決意しています。

この二人を通して、グレタは現代の、そして昔も描かれはしなかったものの存在していたであろう、女性の幸せや苦悩、そしてその強さを描きたかったのだと思います。

 

結婚・愛・生き方

ベスの死を迎えた後、ローリーのプロポーズを断ったことを「早まったかもしれない」と言うジョーが、彼を愛しているのかとお母さんに問われ、「もう一度言われたらイエスと言う。今は愛するより愛されたいの」と答えるのですが、それにお母さんが「それは愛じゃない」と答えるんです。

And, in the end, the love you take/ Is equal to the love you make.とビートルズも歌っていますが、婚活ビジネスも乱立している昨今、愛とはなんなのかについて、皆が一度考えてみるのもいいのかもしれないなと感じました。