人生ラクに生きようよ

備忘録的に。

林遣都に迫られても一人の方が楽って言える女子なんて日本にいるのかな「私をくいとめて」

 

 

のんこと能年玲奈林遣都のラブストーリー。原作は綿矢りさの同名小説。

 

ラブストーリーと言っても紆余曲折は一切なく、最初から最後まで両思い。30代にしてなかなかくっつかない二人の”むずキュン”を描いたラブストーリー・・・と言ってしまうとさすがに表面的すぎるでしょうか。

 

のんが演じる主人公は、中村倫也が声を演じる「A」と常に対話をしながら過ごしているんですが、「A」は主人公の脳内にしかいない存在、つまり自分。本当は誰もがやっている自分との対話を、「A」との会話という形で表現しているという格好です。この設定、原作で読んだ時にはなかなか荒唐無稽な、というか入り込めなかった設定ですが、映画はナチュラルでした。のんのいい塩梅にトリッキー(でも可愛い)ところと、中村倫也の声の具合がちょうどよく、違和感なく見れましたね。

 

主人公と思い合っている年下の男性役は林遣都・・・彼の演技は良かったけれど、結構違和感でしたね。のんは1993年生まれ、林遣都は1990年生まれ。年下には見えなかった。。。タメ語を使えない、とむずむずしているのはだいぶ違和感がありました。描写自体はリアルでしたけどね。

 

原作の主人公は結構こじらせ度が強い印象でしたが(綿矢りさが描く女子は大体拗らせてますけど)、映画では結構それが薄められてました。例えば原作では、主人公は別に自炊が大して好きなわけでもないが、好意を寄せる年下の男性にお裾分けするためにクックパッドを見てわざわざ料理を拵えていたんですが、映画ではそれなりに料理好きな女子に見えました(クックパッドのレシピは見てたけどね)。のんが演じているので普通に可愛いし。まあでもこれはこれでありかなと思いました。

 

ディテールも秀逸な映画で、特に主人公が暮らしている部屋の感じはリアルでした。おしゃれすぎず、汚すぎず、小物の一つ一つまでこだわっているのが伝わってきました。

 

ラストで年下男子に迫られた主人公が「好きだけど距離感がわからない、こんな思いをするなら一人の方がよっぽど楽だった!(意訳)」と発狂するシーンは素晴らしかったです。・・・でも実際、林遣都に迫れてそんなこという女子なんているんだろうか?